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年間の死者数は30人以上
ここ十年あまり、自然や緑が後退するなかで、スズメバチは増える傾向にあります。しかも、農山村や自然の豊かなところというより、むしろ都市や郊外を中心に増えています。この結果、スズメバチに刺される被害も増え、軽視できない状態になっています。
右に刺咬動物による年間死亡者数のグラフがあります。このグラフからも分かるようにハチに刺されて死ぬ人は、クマやヘビに襲われて命を落とすよりもはるかに多いのです。
最近の事故例
毎年、夏から秋にかけて、スズメバチによる被害がテレビや新聞で報道されます。この中から、特に最近のものと、山梨県内で発生したものを紹介します。
■最近のハチによる死亡事故
●スズメバチに刺され男性死亡 福島県
2007年9月26日午前9時40分ごろ、福島県伊達市の70才の男性が自宅の裏山で頭頂部1カ所をスズメバチに刺された。男性は自宅に戻ってから約20分後に意識を失い、病院に搬送されたがショック死した。
伊達署の調べでは、菅野さんは裏山で草刈りをしていた際にスズメバチに刺されたとみられ、自宅のトイレで倒れているのを家族が発見した。
今年7月ごろにもハチに刺されていたらしい。
現場付近で巣は見つからなかったが、大量のハチが飛び交っていたという。
●スズメバチの巣を採っていた男性がスズメバチに刺され死亡 宮崎県
2007年9月29日宮崎県都城市で59歳の男性がスズメバチに刺され死亡した。警察の調べによると、29日午後4時30分ごろ、友人とスズメバチの巣を採りに来ていた男性が、防護服に着替えていたところスズメバチに頭部を刺され、病院に搬送されたが、およそ3時間後に亡くなった。
●スズメバチに刺され男性死亡 静岡県
2007年10月19日午後4時30分頃,加茂郡西伊豆町で,72歳の男性が自宅付近でスズメバチに刺され,病院に搬送されたが4時間後に死亡した。
●スズメバチに刺され男性死亡 鹿児島
2006年8月25日午前9時50分頃,出水市の山林で間伐作業をしていた男性が,キイロスズメバチに鼻を刺され,市内の病院に搬送されたが2時間後に死亡した。去年にも一度スズメバチに刺されており体内に抗体ができていたとみられている。
■山梨県内で発生したハチによる事故
●スズメバチ児童ら襲う。15人刺され、けが 甲府市武田の杜
1997年10月1日午前10時ごろ、甲府市武田の杜内の遊歩道で、遠足中の小学1年生14人と引率の女性教師がスズメバチに刺され、頭などに軽いけがをした。児童らは遊歩道に落ちているドングリや木の実を拾いながら歩いていたところ、突然オオスズメバチの群れに襲われた。児童と教師の15人はそれぞれ頭や首筋に1~12ヵ所を刺され、救急車で県立中央病院に運ばれた。症状は軽く、治療を受けた後にそれぞれ帰宅した。
●ハチの巣退治でタイヤ200本焼く 須玉町
1999年10月11日午後3時半ごろ須玉町の資材置き場で男性作業員4人がスズメバチに頭などを刺された。このうち一人が同町内の病院で手当を受けた。男性らが廃材置き場の拡張工事をしていたところ、パワーショベルでスズメバチの巣を掘り起こし、飛び出してきたハチに刺された。
また、男性一人が、ハチの巣を取り除こうと新聞紙に火をつけて巣に投げつけたところ枯れ草に引火。現場に保管してあった古タイヤに燃え移り、約200本を焼いた。
■行政の担当の皆様へ
事故例からも分かる通り、スズメバチによる事故は公園や遊歩道など、自然と人間との接点となる場所で多く発生しています。公園や遊歩道などの公共の場所での事故の場合、行政の責任を問う声も上がっています。
公園や遊歩道、ハイキングコースなど、子供や不特定多数の人が集まり、スズメバチなどとの接触が予想される場所などは、シーズン前(巣の引越しが起きる7月~8月ごろが望ましい)に、営巣調査を行いましょう。これにより被害が予想されるハチの巣は駆除され、スズメバチなどによる事故を事前に防止することができます。
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